【5月11日 AFP】シリアで米軍の支援を受けるクルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」が10日、北部の要衝都市タブカ(Tabqa)と近くのダムをイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」から奪還した。

 SDFは、数週間にわたる激しい戦闘の末、タブカと隣接するダムが「完全に解放された」と発表した。SDFのタラル・セロ(Talal Sello)報道官はAFPの取材に対し「タブカを確実に解放するために合同掃討作戦を行っている」と述べた。

 ユーフラテス川(Euphrates River)沿いにあるタブカは、戦略的に重要な補給路上に位置している。ISが主張する「カリフ制国家」の首都と位置付けられているラッカ(Raqa)からは西方約55キロの地点にある。

 国連(UN)は、タブカに隣接するシリア最大のダムが被害を受ければ大規模な洪水が発生する可能性があると警告。ダムの技術者チームに近い情報筋は、ここ数日、戦闘がダム近くへ迫ってきたため一同退避したと述べている。

 SDFに参加しているクルド人民兵組織「クルド人民防衛部隊(YPG)」に対し、米国が武器供与などの支援を決定したことについて、YPGをテロ組織とみなすトルコ政府は反発している。だが、米国はIS掃討に向けてYPGは欠かせない部隊だとしている。(c)AFP/Maya Gebeily with Ayham al-Mohammad in Hasakeh