【5月9日 AFP】女子テニスのユージェニー・ブシャール(Eugenie Bouchard、カナダ)が8日、ドーピング違反による15か月間の出場禁止処分からツアー復帰したマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)に対する自身の辛辣(しんらつ)なコメントは、他の選手と共有している考えであり、その多くが声を上げることを「恐れていた」と主張した。

 現在、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2017)に出場しているブシャールは、同日に行われた女子シングルス2回戦でシャラポワを7-5、2-6、6-4で下し、通算5度目の対決で初勝利を飾った。

 ブシャールは先月、2016年の全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2016)で禁止薬物のメルドニウム(Meldonium)に陽性反応を示したシャラポワを「ペテン師」と呼ぶと、高カテゴリーの大会でワイルドカード(主催者推薦)の歓迎を受けるのではなく、永久追放処分になるべきだと訴えていた。

 試合後、「きょうは確かに普段よりモチベーションが高かった」と振り返ったブシャールは、「多くの選手が個人的に私のところに来て幸運を祈ってくれていたから、試合前から非常に気持ちが高まっていた。普段は話さないような選手や、私のことを応援してくれるテニス界の人から多くのメッセージをもらった」と明かした。

「自分のために勝ちたいというのもあったが、そうしたすべての人たちのためでもあった。それこそ多くの人が私と同じ意見を持っていることを示していると思うし、もしかしたら彼らは口に出すのを恐れていただけなのかもしれない。だけど、個人的にたくさんの応援をもらったので、それに刺激を受けたしプレーの励みになった」

 約3時間に及ぶ熱戦の末、ブシャールはWTAでは今年1月の全豪以降では2勝目を記録。シャラポワとネットで素っ気なく握手をした際、何と言葉を交わしたのか聞かれると、「彼女は『良いプレーだった』と話していた」と答え、「いわゆる復帰戦と周囲が呼びたがっている試合で、彼女のプレーは本当に良かったと思う」とつけ加えた。(c)AFP/Kieran CANNING