【5月7日 AFP】ナイジェリア政府は6日、3年前にイスラム過激派組織「ボコ・ハラム(Boko Haram)」に拉致された女子生徒200人以上のうち82人が収監者との交換で解放されたと発表した。

 大統領のツイッター(Twitter)アカウントは「当局が拘束しているボコ・ハラムの容疑者の一部との交換で、今日82人の少女が解放された」と述べ、少女らは7日に首都アブジャ(Abuja)に移動し、ムハマドゥ・ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領と面会する予定だと明らかにした。また治安機関や、交渉を仲介したスイス政府と赤十字国際委員会(ICRC)に謝意を示した。

 釈放されたボコ・ハラムの容疑者の人数や氏名などは明らかにされていない。

 ナイジェリアの上院議員で以前ボコ・ハラムとの交渉に加わっていたシェフ・サニ(Shehu Sani)氏はAFPに対し、今回解放された少女らの健康状態は「おおむね良好だ」と語った。交渉は3~4か月にわたって行われ、当初は少女50人を解放する方向で話し合われていたが、その後、人数が増えたという。政府は今後、依然として捕らわれている少女らの解放を求めて交渉を続けていくと同氏は述べた。

■事件発生から3年

 ボコ・ハラムは2014年4月14日、北東部チボク(Chibok)の学校から女子生徒276人を拉致した。その後数時間内に57人が自力で逃げ出したが、残り219人の拘束は続いた。赤十字国際委員会とスイス政府が仲介したボコ・ハラムとナイジェリア政府の交渉によって昨年10月に21人が解放された。他に3人がナイジェリア軍に発見あるいは救出されている。捕らわれている間に出産した少女たちもいる。

 ナイジェリア北東部に厳格なイスラム国家の樹立を目指して蜂起したボコ・ハラムの指導者アブバカル・シェカウ(Abubakar Shekau)容疑者は、ビデオメッセージで少女たちはイスラム教に改宗したと主張した。2009年以降、ボコ・ハラムの暴力の犠牲となり死亡した人は少なくとも2万人に上っている。

 少女200人以上を拉致という前代未聞の暴挙に世界は怒りの声を上げ、ミシェル・オバマ(Michelle Obama)米大統領夫人(当時)やハリウッドスターたちも解放を訴えた。

 事件発生から3年を迎えた先月、拉致された少女らの親やその支援者らは、この状況は「終わりのない悪夢」だと語っていた。(c)AFP/Ola AWONIYI with Aminu ABUBAKAR in Kano