■ロシア

ルペン氏にとってロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)政権との関係は、テロとの戦い、そして2人が共有するナショナリズム思想の両方の面で外交政策の鍵となるだろう。

ルペン氏はプーチン大統領との緊密な関係を求め、2014年のロシアによるクリミア(Crimea)併合については支持を表明した。

 クリミア併合以降、欧米諸国はロシアに経済制裁を科している。マクロン氏はフランス一国での制裁解除に反対の姿勢だ。また、ルペン氏と違い、ロシアが支援するシリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領の退陣を主張している。

■米国

 昨年の米大統領選で勝利したドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を、欧州の政治指導者の中でいち早く祝福したのがルペン氏だった。トランプ氏のエスタブリッシュメント(既存支配層)に対する反発は、ルペン氏率いる極右政党「国民戦線(FN)」の核となる思想と深く共鳴している。

 そんなルペン氏だが、化学兵器を使用したとみられるシリア軍に対し、トランプ氏が空爆を命じたことには「驚いた」と語っている。

 マクロン氏は、とりわけテロ対策や情報共有において米国との密接な協調関係を築きたいとしている。だが地球温暖化対策ではトランプ氏にバラク・オバマ(Barack Obama)前政権の取り組みから後退しないよう求める意向だ。

■中東・アフリカ

 マクロン氏は大統領選の候補になってから、レバノンとアルジェリアを訪問。アルジェリアではフランスによる過去の植民地政策を「人道に対する罪」だと語った。今回の大統領選の複数の右派候補はこれを、フランスを侮辱する発言だと非難した。(c)AFP/Cécile FEUILLATRE