【5月4日 AFP】イタリア・セリエAのASローマ(AS Roma)の象徴、フランチェスコ・トッティ(Francesco Totti)が、今季限りで現役を退くことがわかった。クラブの新しいスポーツディレクターに就任したモンチ(Monchi)氏が3日、明らかにしている。

 スペイン1部リーグのセビージャFC(Sevilla FC)でスポーツディレクターを務め、ヨーロッパリーグ(UEFA Europa League)3連覇に貢献したモンチ氏は、「クラブとの合意がある。今季が彼にとってラストシーズンとなり、その後は幹部としてここに残る」とコメントした。

「トッティには私の右腕としてそばにいてほしい。彼の存在こそがローマであって、ローマについて教えてほしいし、彼からいろいろ学びたい」

 1993年にプロデビューを果たして以降、ローマ一筋でプレーしてきた40歳のトッティだが、昨季からルチアーノ・スパレッティ(Luciano Spalletti)監督との確執がたびたびうわさされていた。

 年齢による衰えを隠せなかったものの、トッティはストライカーとしてチームの重要なゴールを何度も記録し、昨夏にはローマとの契約を1年延長したが、クラブはこれが最後のシーズンになると明言していた。

 先月30日に行われたラツィオ(SS Lazio)との試合後、自身最後のダービーマッチについて感想を聞かれたトッティは、「ほかの人たちはこれが最後のダービーだと話しているが、私はそうなると言ったおぼえはない」と語っていた。

 去就についてトッティ本人から正式なコメントは出されていないが、ローマの広報担当者はAFPに対し、「モンチ氏が話したこと以上のものはなにもない」と述べている。

 ローマはすでに現役引退後のトッティに対し、クラブのディレクターとして6年契約を打診したことを明らかにしている。

 トッティの最終戦は、今月28日に行われる今季最終節のジェノア(Genoa CFC)戦になるとみられ、忠誠を尽くしたクラブの本拠地スタディオ・オリンピコ(Stadio Olympico)で現役生活に終止符を打つことになる。

 トッティはローマの大黒柱としてセリエA歴代3位となるリーグ戦通算616試合に出場し、通算250得点は、シルヴィオ・ピオラ(Silvio Piola)氏が持つリーグ歴代最多記録の通算274得点に次ぐ数字となっている。

 イタリア代表として2000年の欧州選手権(UEFA Euro 2000)で準優勝、2006年のW杯ドイツ大会で優勝を経験しているトッティだが、セリエAでの優勝経験は一度しかなく、2001年にリーグ制覇を果たして以降、シーズンを2位で終えた回数は8回となっている。(c)AFP