【4月28日 AFP】サッカー元イングランド代表のデビッド・ベッカム(David Beckham)氏が中心となり、米メジャーリーグサッカー(MLS)の新チーム発足を目指す投資家グループに、同国大リーグ(MLB)ロサンゼルス・ドジャース(Los Angeles Dodgers)の共同オーナーであるトッド・ボーリー(Todd Boehly)氏が加わることになった。地元紙が27日に報じている。

 米フロリダ(Florida)州の地元紙サン・センチネル(Sun-Sentinel)とマイアミ・ヘラルド(Miami Herald)の記事では、度重なるプロジェクトの遅れで新クラブ設立の計画断念の危機に直面しているベッカム氏にとって、同国芸能誌ハリウッド・リポーター(Hollywood Reporter)をはじめ、音楽誌ビルボード(Billboard)やテレビ制作会社ディック・クラーク・プロダクション(Dick Clark Productions)を所有する米投資銀行家のボーリー氏の参加は追い風になるとされている。

 ベッカム氏は現役時代、イングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)、スペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)、イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)、MLSのロサンゼルス・ギャラクシー(Los Angeles Galaxy)でプレーし、フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)で現役を引退した。

 MLSとの契約の一環として、大幅な割安価格で新クラブ購入が可能となっていたベッカム氏は、ほかの新チームのオーナーの支払額が1億5000万ドル(約167億円)だったのに対して、わずか2500万ドル(約28億円)だったと伝えられている。

 しかし、来月2日に42歳の誕生日を迎えるベッカム氏は、スタジアム建設用地の不足によりマイアミ(Miami)に新クラブを設立する計画をまとめられておらず、プロジェクトは3年以上も宙に浮いた状態となっている。

 MLBのマイアミ・マーリンズ(Miami Marlins)の本拠地があるマイアミで、米プロバスケットボール協会(NBA)のマイアミ・ヒート(Miami Heat)のアリーナに隣接するウォーターフロントの土地が見つけられなかったベッカム氏のグループは、近郊のオーバータウン(Overtown)で用地を購入しているものの、計画されたスタジアムを建設するためにはさらに3エーカー(1.2ヘクタール)分が必要となっている。

 ベッカム氏の投資家グループには、同氏のパートナーでスプリント(Sprint)社の最高経営責任者(CEO)を務めるマルセロ・クロアー(Marcelo Claure)氏や、英国人エンターテインメント・プロデューサーのサイモン・フラー(Simon Fuller)氏が名を連ねており、ボーリー氏もその仲間に加わることになる。

 MLSは今週オーナー会議を開き、ベッカム氏が設立する予定の新クラブについても話し合われた。MLSのドン・ガーバー(Don Garber)コミッショナーは先日、ベッカム氏のクラブに関して今年中に決断を下すとしていたのに先立ち、計画を先に進めなければリーグ24番目のチームにはなれないと話していた。

 先月にはアトランタ・ユナイテッド(Atlanta United FC)とミネソタ・ユナイテッドFC(Minnesota United FC)がリーグに加わったMLSでは、来年にはロサンゼルス(Los Angeles)に23番目のクラブが誕生することになっている。

 MLSが28チームまで拡張を目指しているなか、今年1月には米12都市のグループが新規参入に名乗りを上げており、ベッカム氏のマイアミチーム設立が失敗した場合は、市場参入を希望するグループにとって新たに1枠が設けられることになる。(c)AFP