【4月17日 AFP】16-17イングランド・プレミアリーグは16日、第33節の試合が行われ、マンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)が2-0でチェルシー(Chelsea)を退け、ジョゼ・モウリーニョ(Jose Mourinho)監督は、自身のリスクを負った戦術の正当性が証明されたと胸を張った。

 自身がかつて指揮を執った古巣との対戦で、モウリーニョ監督はチーム得点王のズラタン・イブラヒモビッチ(Zlatan Ibrahimovic)をベンチに置き、アンデル・エレーラ(Ander Herrera)とマッテオ・ダルミアン(Matteo Darmian)には、チェルシーの中心選手エデン・アザール(Eden Hazard)とペドロ・ロドリゲス・レデスマ(Pedro Rodriguez Ledesma)のマンマークを指示した。

 モウリーニョ監督の采配で完全に抑え込まれたチェルシーは、2007年以来となる枠内シュート0本に終わり、2位トッテナム・ホットスパー(Tottenham Hotspur)との勝ち点差は4となった。

 本拠地オールド・トラフォード(Old Trafford)で勝利を収めたモウリーニョ監督は、英スカイ・スポーツ(Sky Sports)に対し、「RSCアンデルレヒト(RSC Anderlecht)と対戦する20日のヨーロッパリーグ(UEFA Europa League 2016-17)を見据えて選手に休息を与えたのではない。考えられる中で最高のチームを選んだだけだ」とコメントした。

「(ユナイテッドが0-1で敗れた)敵地スタンフォード・ブリッジ(Stamford Bridge)でのイングランドFAカップ(FA Cup 2016-17)でも同じ戦術を採用していた。このやり方が、彼らを苦しめることはわかっていた」

「その試合はわれわれが11人のときに完璧にコントロールしていたが、前半の残り10分と後半のすべてを数的不利の立場で戦うという決定が下されたことで、チェルシーが試合を支配するチャンスを手にした」

 先月のFAカップでは、アザールに対するファウルで2度目の警告を受けて退場となったエレーラだが、この日は前半7分にマーカス・ラシュフォード(Marcus Rashford)の先制点をアシストすると、後半には自らゴールを決めてチームを勝利に導いた。先制点をお膳立てする前のハンドは故意ではないと語ったエレーラは、ユナイテッドのパフォーマンスは「ほぼ完璧」だったと話している。

 FAカップではスタンフォード・ブリッジに鳴り響いた「裏切り者」の声に刺激を受けたと話すモウリーニョ監督だが、古巣からの勝利に特別な満足感はないと話している。

「チェルシーを倒すことに特別な喜びはない。われわれは首位を下した。その首位がチェルシーだろうが、ほかのチームであろうが関係ない。われわれは彼らから説得力のある勝利を手にした。誰もわれわれの勝利を疑わないだろう」

 一方、チェルシーのアントニオ・コンテ(Antonio Conte)監督は、敗戦の責任は自身にあると認めている。

「彼らは勝利に値した。なぜなら彼らの方が意欲、モチベーションで上回っていたからだ。このようなケースでは、失敗の責任は監督である私にある。ふさわしいモチベーションを与えることができなかった」

「目標に達成するためには、これから最後までこういうタイプの試合には熱意やモチベーションを持って臨まなければならない」(c)AFP/Tom WILLIAMS