【4月13日 AFP】フォーミュラワン(F1、F1世界選手権)で自身4度目の総合優勝を目指すメルセデスAMG(Mercedes AMG)のルイス・ハミルトン(Lewis Hamilton)は、フェラーリ(Ferrari)のセバスチャン・ベッテル(Sebastian Vettel)との健全なバトルを続けつつ、第2戦中国GP(Chinese Grand Prix 2017)を制した勢いを加速させたいと考えている。

 過去3年間、昨季までメルセデスのチームメートであり、年間優勝を果たした2016年限りで引退したニコ・ロズベルグ(Nico Rosberg)氏とのレベルの高い、そしてぎすぎすした争いを続けてきたハミルトンだが、今季はそれとは異なる気持ちの良い戦いを楽しんでいる。

 その相手は、新しいチームメートのバルテリ・ボッタス(Valtteri Bottas)ではなく、総合4連覇の実績を誇るベッテルだ。ベッテルもハミルトンへの称賛を惜しまず、今季の2人はそれぞれ1勝ずつを挙げる中で、ここまではお互いへの親しみと敬意を見せている。

 ベッテルとの争いについて、ハミルトンは「今季のマシンで一緒にレースができて楽しいよ。現時点では力が拮抗していて、スポーツとして素晴らしいと思う。僕が勝てば彼も楽しいだろうし、負ければ向こうもこちらと同じ受け止め方だと思う。お互いに尊敬し合っているし、それは素晴らしいことだ」と述べた。

 ハミルトンは中国GP終了後にも「僕らはハードワークを続けているが、それはフェラーリも一緒だ」と語っていた。

「バーレーンGP(Bahrain Grand Prix 2017)では非常に厳しい週末を覚悟している。フェラーリは中国のときより強いと思うんだ。彼らのマシンは寒い場所より暖かい場所の方が良く走る。前週末はチャンスを最大限に生かせたけど、今回もトップを守るにはハードワークを続けなくてはならない」

 照明の光の下でのナイトレースとなるバーレーンGPで、最近4年で3回目の優勝を狙うハミルトンは、「使える武器をフル活用しなければならない」と話している。

「だからこそ、チームは今これだけの努力を重ねている。最初のうちはそれがとても大切だということを去年学んだ。最後にそれが報われていればうれしいね。次のレースでも、トップを確保するために全力で努力しないといけない」

 バーレーンGPではまた、7大会連続のポールポジション獲得の記録もかかる。ハミルトンは「僕はここまで6戦連続で、そしてアイルトン・セナ(Ayrton Senna)氏は8戦連続の記録を持っている。セナに追いつきたい。それも挑戦の一つだ」と語った。

 バーレーンGPの会場では、高い気温が予想される。そして車体が重くフラットに、タイヤが幅広になって速度が増した今季のマシンでは、気象条件が結果に大きく影響するのは間違いない。

 本命の2人に挑戦するのは、ハミルトンのチームメートのボッタスと、ベッテルのチームメートのキミ・ライコネン(Kimi Raikkonen)、または中国で調子を上げ、第三勢力として追い上げるレッドブル(Red Bull)勢になるとみられている。

 中国GPで16番グリッドからのスタートながら3位に食い込んだレッドブルのマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)は、チームメートのダニエル・リカルド(Daniel Ricciardo)より上の順位を目指す。

 それ以外の大きなポイントは、バーレーンGP優勝3回の実績を持ち、走りと去就が注目されているマクラーレン・ホンダ(McLaren-Honda)のフェルナンド・アロンソ(Fernando Alonso)になる。

 年間王者2回のアロンソは12日、インディアナポリス500(Indianapolis 500)参戦に伴うモナコGP(Monaco Grand Prix 2017)欠場を発表している。(c)AFP