■英雄クロスビー「難しい状況」

 オバチキンのチームメートで同胞のエフゲニークズネツォフ(Evgeny Kuznetsov)も、仮にメンバーに選出された場合は、五輪に出場するだろうとの意向を示している。

「まだNHLが僕たちの出場を許可してくれるだろうと願っている。でも、何も僕の考え方を変えることはできない…。もしロシアが必要とするなら、もちろん出るよ」

 2014年ソチ冬季五輪に米国代表として出場したキャピタルズのDFケビン・シャッテンカーク(Kevin Shattenkirk)は、「僕たちは出場に値すると思うし、世界もあのレベルのホッケーを見るに値すると思う。やらない理由が見当たらない」とし、NHLの決定に批判的な見方を示した。

 一方、カナダの英雄シドニー・クロスビー(Sidney Crosby)は、話し合いが失敗に終わったことに落胆した様子を見せたが、自身の五輪出場については明言を避けた。

 ピッツバーグ・ペンギンズ(Pittsburgh Penguins)に所属するクロスビーは、地元紙ピッツバーグ・ポスト・ガゼット(Pittsburgh Post-Gazette)に対し、「交渉などを耳にし、うまく折り合いがつくだろうと本当に思っていた」としたうえで、「残念ながらそうはいかなかった」と語った。

「難しい状況であることに疑いはないが、それでも声を上げ続けている人の存在も知っている。そこまで先のことを考えられているかは、自分でもわからない」

 NHLでプレーするその他の海外選手も、同様に不満を募らせている

 五輪出場がすでに決まった母国ドイツを代表できないことは残念だというペンギンズのFWトム・クーンハックル(Tom Kuhnhackl)は、地元紙ピッツバーグ・トリビューンレビュー(Pittsburgh Tribune-Review)に「もちろんフラストレーションはたまる」と話した。

「特にドイツのような国では、常に五輪に出られるというわけではない。選手にとって五輪に行けるというのは特権だと思う。とりわけドイツにとっては素晴らしいことなんだ。出られればいいけど、とにかくイライラするよ」 (c)AFP