【3月31日 AFP】米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)は30日、再利用ロケットの打ち上げに初めて成功した。同社のイーロン・マスク(Elon Musk)最高経営責任者(CEO)は「宇宙飛行の革命だ」と称賛した。今回のロケットは昨年、国際宇宙ステーション(ISS)に物資を送るために使用され、その後回収されていた。

 スペースXなど各社が打ち上げコストの引き下げを急ぐ中、専門家からは今回の打ち上げ成功は民間企業などにとって「歴史的」瞬間だとして歓声が上がった。

 ルクセンブルクの情報通信企業SESの通信衛星を積んだロケット「ファルコン9(Falcon 9)」は、米フロリダ(Florida)州ケープカナベラル(Cape Canaveral)の米航空宇宙局(NASA)のケネディ宇宙センター(KSC)から30日午後6時27分(日本時間31日午前7時27分)に打ち上げられた。

 1段目のロケットブースターは昨年4月にISSに物資を送る際に使用されており、それを回収して再利用したもの。

 打ち上げの約10分後、1段目のブースターロケットが、大西洋(Atlantic Ocean)上で「Of Course I Still Love You(もちろんまだ君を愛しているよ)」の文字が書かれた自動航行台船に垂直に着陸すると、カリフォルニア(California)州ホーソーン(Hawthorne)のスペースX管制センターでは歓声が上がった。同一のロケットブースターが打ち上げと着陸に2度成功したのは初めて。

 スペースXは1段目のロケットブースターの着陸に9回成功しており、そのうち6回は洋上、3回は陸上となっている。(c)AFP/Kerry SHERIDAN