混乱に陥った世界1位アルゼンチン、メッシ出場停止でW杯出場逃す可能性も
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■協会上層部の腐敗
アルゼンチンサッカー界は現在、政治的な思惑も重なり、危機的状況に陥っている。アルゼンチンサッカー協会(AFA)のフリオ・グロンドーナ(Julio Grondona)元会長が亡くなった2014年以降、協会内では権力闘争が始まり、マラドーナ氏は昨年、AFAの上層部は「マフィア」だと非難した。
アルゼンチンのマウリシオ・マクリ(Mauricio Macri)大統領は、「アルゼンチンサッカーの組織力の弱さ」に不満を訴えており、「汚職や悪習にまみれたシステム」の改革を要求。FIFAとアルゼンチンの裁判所も、AFAの不正を調査している。
AFAは29日、上層部を新体制に刷新。同国メディアはバウサ監督の解任が新体制最初の仕事になると報じているが、時すでに遅しとの声も上がっている。
AFAの新体制には、3年に及ぶアルゼンチンサッカー界の混乱を収束させる任務が表向きでは課せられているが、実際は政治的な思惑が絡んでいるとの見解を関係者は示しており、W杯2度の優勝を誇る強豪国の苦悩をさらに深めている。
AFAは代表チームと国内リーグを管轄するトップの3人を投票で選出し、同国3部のバラカス・セントラル(Barracas Central)で監督を務めるクラウディオ・タピア(Claudio Tapia)氏が会長となり、1部リーグの名門ボカ・ジュニアーズ(Boca Juniors)の会長で、マクリ大統領と親交の深いダニエル・アンヘリチ(Daniel Angelici)氏が副会長に就任している。
協会のナンバースリーには、同国労働団体の大物でタピア氏の義理の父親であるウーゴ・モヤノ(Hugo Moyano)氏が名を連ねた。評論家はモヤノ氏がAFAの実権を握ると考えているが、これは年内に予定されている議会選挙に先立ち、マクリ大統領が労働団体の反対を抑えるための布石だとみている。
アルゼンチンの社会学者はAFPに対し、今回の動きは「モヤノ氏と団体に対する明確なジェスチャー」だとの見方を示している。モヤノ氏は、マクリ大統領に賃上げの抗議を行ってきた労働総同盟(CGT)に大きな影響力を持っており、政治学者は「マクリ大統領とモヤノ氏の合意というアイデアは、政界で以前から話題になっていた」と明かした。(c)AFP/Daniel MEROLLA