【3月29日 AFP】米宇宙開発企業スペースX(SpaceX)や電気自動車(EV)メーカーのテスラ(Tesla)の最高経営責任者(CEO)で起業家のイーロン・マスク(Elon Musk)氏が28日、脳とコンピューターを接続する技術に特化した新会社の立ち上げを示唆した。

 マスク氏はこの日、ツイッター(Twitter)に投稿したメッセージで、人の脳とコンピューターを直接つなぐ「ニューラルレース(Neural lace)」と呼ばれる技術に取り組むための新たなスタートアップ企業「Neuralink(ニューラリンク)」の設立について示唆した。ニューラルレースと呼ばれるこの技術では、脳とコンピューターを接続し、その処理能力へのアクセスの他、記憶をダウンロード・保管することが可能となるとされている。

 マスク氏は投稿したメッセージで、今後1週間ほどで(ブログプラットフォームの)@waitbutwhyで何らかを公開するとしながら「これに時間を割くのは難しいが、やらないことの実存的なリスクは高過ぎる」と述べている。

 この投稿は、米紙ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)がマスク氏による新会社設立について報じた翌日に出された。同紙は、新会社は思考のアップロードとダウンロードが可能な極小の電極を脳に埋め込む新たな技術を開発するスタートアップ企業だと報じていた。

 マスク氏がツイッターで触れた「リスク」とは、人工知能(AI)が人に対して脅威となる事への懸念と思われる。同氏はこれまでにも、人工知能が人を助ける存在などではなく、人類を攻撃し、破滅に追い込みかねない技術であるとの考えを明らかにし、テクノロジー業界で物議を醸している。(c)AFP/Glenn CHAPMAN