不妊手術強制されたトランスセクシュアルに賠償の方針、スウェーデン
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【3月27日 AFP】スウェーデン政府は25日、性別変更手続きに伴い強制的に不妊手術を受けさせられたトランスセクシュアルたちに賠償金を支払う方針を明らかにした。
ガブリエル・ウィクストロム(Gabriel Wikstrom)保健相はスウェーデン紙ダーゲンス・ニュヘテル(Dagens Nyheter)に、性別変更手続きを完了するために法に従い不妊手術を余儀なくさせられた人たちに対し、賠償金として1人あたり22万5000クローナ(約280万円)を支払うとした法案を提出する計画だと語った。
スウェーデン政府は1972年から2013年まで、トランスセクシュアルに対し性別変更を公式に承認する条件として、不妊手術を受けることが法律で義務付けられていた。
しかし2012年12月、スウェーデンの裁判所がこうした慣習は違憲であり欧州人権条約(European Convention on Human Rights)にも違反するとの判断を下し、翌月には不妊手術の強制を禁止する法律が発効した。
2013年にはトランスセクシュアル約150人が国に正式な謝罪と総額500万ユーロ(約6億円)、1人あたり3万4000ユーロ(約410万円)程度の賠償金を求める運動を起こした。
スウェーデンのLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)権利団体「RFSL」によると、法的に不妊手術を受けさせられたトランスセクシュアルは約800人に上るという。(c)AFP