【3月21日 AFP】中国で長年はびこってきたトイレットペーパーの盗難が、ついに終息するかもしれない──首都北京(Beijing)の公園当局は、トイレットペーパー泥棒を一掃するため、公衆トイレに顔認証を取り入れた紙の配布システムを導入した。

 特製の配布装置が設置されたのは北京の観光名所「天壇(てんだん)」の公衆トイレ。先週末に顔認証システムを取り入れるまで、当局は3年にわたって指紋やレーザーのセンサーを使った盗難防止策を試してきたという。

「ようこそ!認証可能な場所にお立ち下さい」という自動音声の出迎えを受ける中、トイレの利用者は1人ずつ、定められた場所に立ち、点滅する青いスクリーンに映し出される自分の顔を見つめる。すると、60センチのトイレットペーパーが配布される。もし、すでに紙を受け取った人がさらに紙をもらおうとすると、9分以内であれば「後ほどまたご利用下さい」というアナウンスが流れる。

 トイレットペーパーを盗む人々はこれまで、防犯ゲートで捕まらないようトイレットペーパーを丸ごとバッグに入れ、自宅へ持ち去っていたという。

 一方、中国版ツイッター(Twitter)の「新浪微博(Sina Weibo)」では効果を疑問視する声が上がっており、あるユーザーは「2日後には、顔認証の装置も盗まれるだろう」とのコメントを投稿している。(c)AFP/Yanan WANG