【6月29日 AFP】国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)の世界遺産(World Heritage)に登録されている中国の「万里の長城(Great Wall)」で、明(Ming)王朝時代(1368~1644年)に建設された部分の約3割が、風化や人為的な破壊により消失したことが分かった。同国の国営紙・京華時報(Beijing Times)が28日、報じた。

 同紙によると、明朝時代に建設された6300キロのうち、1962キロがここ数世紀の間に消失した。同紙は中国長城学会(Great Wall of China Society)が昨年実施した調査の結果として、長城の一部が風雨にさらされたため風化した他、植物が壁の内部で生育することによって崩壊が加速化したと伝えている。

 また、北部・河北(Hebei)省盧竜(Lulong)県では、貧しい村人たちが、村内を通る長城かられんがを盗み、家を建てるために流用したり、漢字が刻銘されていたれんがを30元(約600円)で販売したりしていたという。(c)AFP