【3月11日 AFP】男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は10日、117年の歴史を持つ国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup)で3セット制を導入することは、人材流失を防ぐためには十分ではないとの見解を示した。

 母国のデ杯制覇に4度貢献しているナダルは、伝統を持つ大会の抜本的な改革を国際テニス連盟(ITF)に対して長らく求めていた。

 今週、デ杯を5セットマッチからセット数を3に削減し、日程を3日から2日へと短縮する可能性もある計画が発表されたものの、ナダルはそれでも十分ではないと語った。

 ナダルは、「自分の考えは、3セットだとか5セットだとかということではなくて、毎年デ杯の王者は必要ないということだ。それが大会の価値をおとしめている。トップ選手がかなり頻繁に戦わなければ、良い結果は手に入らない」と語った。

 ナダルによると、ITFは「細かい部分」に集中することがあまりにも頻繁で、ツアーの日程とかみ合わないことが理由でトップ選手が序盤戦を辞退したとしても、その年の決勝戦にビッグネームが一人いればそれで満足してしまうという。

「デ杯は美しい大会で、とても感情が出る大会だ。その感情の高ぶりやテニスのレベルの高さを保つには、最高の選手のためにすべきことがある」

 ナダルは、デ杯王者は3年に一度決定すれば良いとの考えを示した。

「1年やって1年休みという意味じゃない。つまり、例えば1年に2度の対戦にするということだ。そうすれば合理的で、選手たちもデ杯に向けてモチベーションがかなり上がるだろう」

 ナダルは2004年、08年、09年、11年と8年間で4度の優勝したころに感じた苦しみを思い起こし、「12月にその年最後の大会としてデ杯を終えると、1月には再スタートを切ることになる。かなりきついんだ」と付け加えた。

 ナダルは4月7日から9日にかけて行われるデ杯準々決勝のセルビア戦を欠場し、クレーコートシーズンに先立って休養にあてるものとみられていた。しかし、BNPパリバ・オープン(BNP Paribas Open 2017)での出場を週末に控え、最後の決断はまだ下していない。

「出るか出ないかは言えないけれど、クレーコートに向けて準備を整えなければならないし、現時点の僕の状態は良いものではない」 (c)AFP