【3月9日 AFP】南米ボリビアのエボ・モラレス(Evo Morales)大統領は8日、コカインの原料となるコカの栽培を拡大する法案に署名した。

 先月議会を通過したこの法案をめぐっては、コカの栽培量が増えれば麻薬の密輸を助長しかねないとして物議を醸しているが、左派のモラレス大統領は警告を一蹴。1988年に米国の後押しで成立した、コカの違法栽培削減のため栽培地域を制限する法律の緩和に踏み切った。

 モラレス氏自身も元コカ農家で、ボリビア中部チャパレ(Chapare)のコカ農家団体のグループ代表を務めている。

 新しい法案では、コカの栽培面積の上限が1万2000ヘクタールから2万2000ヘクタールに引き上げられる。

 コカの葉は、ボリビアでは口の中でかんだり、コカ茶として飲んだりする一般的な嗜好(しこう)品。だが、麻薬組織はコカの葉から麻薬成分を抽出し、コカインを生産している。

 ボリビアはコロンビア、ペルーに次ぐ世界第3位のコカ栽培国。コロンビアとペルーは麻薬密輸撲滅を目指してコカの栽培量の削減に努めている。(c)AFP