【3月7日 AFP】(更新)北朝鮮の国営朝鮮中央通信(KCNA)は7日、外務省の発表として、国内に滞在しているすべてのマレーシア人の出国を禁止すると伝えた。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏の殺害をめぐって両国の外交関係が悪化する中、これらのマレーシア人が人質に取られる恐れが出てきた。

 KCNAが伝えた外務省の声明では「DPRK(北朝鮮)にいるマレーシア国籍の人はすべて、マレーシアでの件が適切に解決されるまで一時的に出国を禁止される」としている。

 マレーシア政府も同日、自国内にいる北朝鮮大使館員の出国を禁止すると発表した。

 北朝鮮、マレーシアの両国は長年緊密な外交関係を築いていたが、金正男氏がクアラルンプール国際空港(Kuala Lumpur international Airport)で容疑者の女2人に猛毒の神経剤VXを塗り付けられて殺害されたとされる事件を受け、両国関係は急速に悪化した。

 韓国政府は、金正男氏を暗殺したとして北朝鮮を非難。またマレーシア政府は北朝鮮国籍の容疑者らの聴取を求めていたが、唯一勾留していた北朝鮮国籍の男を先週証拠不十分で釈放した。

 北朝鮮との関係悪化を受け、マレーシア政府は駐マレーシア北朝鮮大使を国外追放処分とした。北朝鮮側も6日、すでにマレーシア政府が事情を聴くために本国に帰国させていた駐北朝鮮マレーシア大使を国外追放処分にすると発表していた。(c)AFP