【3月7日 AFP】痛々しいまでに痩せたモデルが「品位を傷つける」ポーズを取る写真を使用した仏高級ファッションブランド「サンローラン(Saint Laurent)」の新たな広告キャンペーンが、批判を浴びている。女性団体からは掲示禁止を求める声も上がった。

 フランスの首都パリ(Paris)中に張り出されたポスターには、毛皮のコートに網タイツ姿の女性が両脚を開いて横になる写真や、レオタードを着てローラースケート形のハイヒールを履いたモデルが腰を突き出してスツールにもたれかかる写真が使われている。

 広告に対しては、ソーシャルメディア上で怒りの声が噴出。民間の広告規制機関ARPPの元にも苦情が相次ぎ、その大半は広告の写真が「レイプを扇動している」という意見だったという。

 ARPPは、「人々の品位を傷つけ、侮辱する表現」を禁止しており、広告主に対し、キャンペーンの中止または差し替えを要求できる。

 ARPPのステファヌ・マルタン(Stephane Martin)氏は、サンローランが規則に違反していることは「反論しようのない」ように思えると指摘。10日に同ブランドと協議の上、どのような措置を講じるか決めるとしている。サンローラン側は今のところコメントを出していない。

 同ブランドは皮肉にも、フェミニズムの波が広がった1970年代に、女性に男性のタキシードを着用させて一躍脚光を浴びた。2年前には、あばら骨が浮き出るほど痩せたモデルを起用した広告で、英国監視機関から掲示禁止命令を受けている。(c)AFP/Anne-Laure MONDESERT/Fiachra GIBBONS