【9月28日 AFP】イタリアで展開されている「やせ過ぎ」に警鐘を鳴らす広告に対して、フランスのファッション業界が二分する事態となっている。高級志向のオートクチュール業界はこの広告を「スキャンダラスだと見ている一方、プレタポルテ業界では、やせ過ぎのモデルをファッション業界からなくすための動きとして歓迎している。

 29日から08年春夏パリ・コレクションがスタートするフランスでは、これまで「やせ過ぎ」モデルのショー出場、雑誌、広告ポスターへの登場を規制する動きは起きていない。

■広告モデル「病気を通じメッセージを送りたい」  

 写真家オリビエーロ・トスカーニ(Oliviero Toscani)氏は、身長165センチ、体重わずか32キロの仏人女性イザベル・カーロ(Isabelle Caro)さんをモデルに起用。伊アパレル「NOLITA」がスポンサーについたこの広告には、「やせ過ぎに“No”」というスローガンが描かれ、24日から全国の広告看板や雑誌に登場している。

 モデルとなったカーロさんは、「この機会に、私の病気を通してメッセージを送ることができればと思った。『やせていること』が表すイメージと、それが引き起こす死の危険性を伝えたい」と語った。