【3月3日 AFP】四大大会(グランドスラム)の全仏オープンテニス(French Open)を主催するフランステニス連盟(FFT)は2日、ドーピングによる出場停止処分から復帰するマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)に、今年の大会でワイルドカードを与えることは気が進まないと明かした。

 シャラポワは、禁止薬物のメルドニウム(Meldonium)に陽性反応を示したことで受けた15か月の出場停止処分が終わりを迎える4月26日に、ポルシェ・テニス・グランプリ(Porsche Tennis Grand Prix 2017)でツアー復帰を果たすことになっている。

 しかしながら、FFTのベルナール・ジウディセリ(Bernard Giudicelli)新会長は、欠場中に世界ランキングが消失したシャラポワが必要としているワイルドカードを与えることで、大会主催者が道徳的ジレンマに陥る可能性があると語った。

 2月18日にFFTの会長職に就いたばかりのジウディセリ氏は、「込み入っている。われわれは、彼女にしっかりと復権してから戻ってきてもらいたいと思っている。品位というのは、われわれの強みである。反ドーピングの闘いのために納める基金の増額か、彼女を招待するかを決めかねている」と語り、シャラポワに本戦出場権を与えるかどうかの決断はまだ下していないと明かした。

 2度の全仏制覇を含む通算5度のグランドスラム制覇を誇るシャラポワは、すでに独シュツットガルト(Stuttgart)で行われるポルシェ・テニス・グランプリに加え、マドリード・オープン(Mutua Madrid Open 2017)やイタリア国際(Internazionali BNL d'Italia 2017)のワイルドカードを手にしている。各大会の主催者は、シャラポワの持つ観客を引きつける大きな力を十分に認識している。

 仮に全仏のワイルドカードを手に入れられなかった場合、シャラポワは本戦の前週に行われる予選会で出場のチャンスをつかむ必要がある。しかし、その予選に出場するためには世界ランキングのポイントを手にしなければならず、シャラポワは全仏予選の締め切り直前に行われるシュツットガルト大会で優勝を飾らなければならない。

 今年の全仏オープン(French Open 2017)は、5月28日に開幕を迎える。(c)AFP