【3月2日 AFPBB News】健康維持のために人気のあるヨガを、動物たちと一緒に楽しみ、絆を深めようと、首都圏を中心に全国でペットヨガ教室が開催されている。愛犬といっしょにヨガのポーズを取ったり、猫が自由に動き回る部屋でレッスンを受けたりする愛好家の輪が広がりつつある。

 2006年に発足した「日本ドッグヨーガ普及協会」によると、ドッグヨガの目的は犬にポーズを取らせることではなく、人と犬が呼吸を合わせ「リラックスした状態で行う五感を使ったコミュニケーション」だという。同会の公認インストラクター、おきた花音(Kanon Okita)さん(47)は「時に難しいポーズに挑戦したり、愛犬を大切にゆっくり扱うことでインナーマッスル(体の深層部の筋肉)が鍛えられることもありますが、それぞれ犬の特徴を捉えながら楽しく過ごすことが大事」と語る。

 2月下旬、東京都八王子市のドッグカフェ「ファニーフェイス(Funny Face)」で行われたレッスンには、小型のトイプードルや、大型のバーニーズマウンテンドッグなど、さまざまな愛犬を伴った飼い主5組が集まった。レッスン中は、犬たちの思いがけない行動に笑いが絶えない。体重40キロ超のグレートピレニーズと参加した東京都檜原村在住の松山麻里子(Mariko Matsuyama)さん(38)は、「いっしょに参加できるアクティビティーが増えてよかった。ヨガを通して、愛情と感謝をいっぱい伝えたい」と優しい目で愛犬を見つめる。

 一方、ネコヨガは犬のようにはいかない。ヨガの最中に参加者の上に飛び乗ったり、われ関せずと隅で寝ていたり、自由気ままに振る舞う猫たちに集中が途切れることもしばしば。それでも、神奈川県川崎市の保護猫カフェ「猫式(NEKO-SHIKI)」で開かれたレッスンに参加した13人は、横を通り過ぎる猫をなでようとヨガ中も様子をうかがっている。中には、一眼レフカメラを手に、シャッターチャンスを狙いながらポーズを取る人も。

「普段がんばっている人たちに、ヨガをしながら猫のマイペースな姿を見ることで、ありのままを受け入れる気持ちになってほしい」と同会ネコ部の池迫美香(Mika Ikesako)さん(46)は話す。里親を待つ猫たちのことをもっと広く知ってもらおうと、池迫さんが担当するレッスンはすべて保護猫カフェを会場にしている。今は猫を飼えない環境にある参加者も多いが、みな「体を動かし、猫とも遊べるなんて癒やしそのもの」「どの子もかわいい」と口をそろえている。(c)AFPBB News