【3月2日 AFP】カナダ東部モントリオール(Montreal)の大学で1日、イスラム教徒の学生を標的とした爆破予告があり、キャンパスにいた学生4000人近くが避難する騒ぎがあった。犯行グループは米国でドナルド・トランプ(Donald Trump)政権が誕生したのを機に「状況が変わった」と主張。イスラム教徒の学生に学内での宗教的な活動をやめるよう脅している。

 脅迫を受けたのはコンコルディア大学(Concordia University)。「カナダ保守市民評議会(Council of Conservative Citizens of Canada)の地下支部」を名乗るグループが同大や地元メディアに電子メールを送り付け、「イスラム教徒の学生」の活動に抗議して手製の爆発物を3日まで1日1個爆破させると予告した。

 脅迫メールでは「国境の南(米国)でトランプ大統領が就任し、状況は変わった。われわれはこれ以上、おまえたちの行動を容認しない」と威嚇。「コンコルディア大学がキャンパスでのあらゆる宗教的な活動をやめさせるまで、イスラム教徒と戦う準備がどれだけできているかを行動で示すことに決めた」としている。

 同大では一部の施設で「イスラム教を知る週」というイベントが開催されていた。

 警察がキャンパス内で爆発物を捜索したが、発見されなかった。警察は脅迫メールについて捜査すると発表している。

 ケベック(Quebec)州のエレーヌ・ダビド(Helene David)高等教育相は、イスラム教徒の学生に対する脅迫は「言語道断」だとし「共生のモデルとなっている大学に対する攻撃を強く非難する」と述べた。

 同様の脅迫状は近くのマギル大学(McGill University)にも送られ、大学側は警戒を強化した。攻撃の標的とされた場所や時間は明らかにしていない。(c)AFP