【1月28日 AFP】米ニューヨーク(New York)で、米国籍の男(57)が空港でイスラム教徒の航空会社従業員の女性に暴行を加えたとして起訴された。男はこの女性に延々と暴言を吐き、蹴りを入れた揚げ句にドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が「お前たち全員を追い出すだろう」と脅迫したとされている。

 マサチューセッツ(Massachusetts)州出身の男は25日、ニューヨークのケネディ国際空港(John F. Kennedy International Airport)で、カリブ海(Caribbean Sea)のアルバ(Aruba)島から到着した便を降りた後、同空港のビジネスクラスラウンジでデルタ航空(Delta Air Lines)の女性従業員に暴言をまくし立て、女性の脚と椅子を蹴ったという。

 検察によると、乗り継ぎ便待ちをしていたロビン・ローズ(Robin Rhodes)被告は、ヘッドスカーフを身に着けてオフィスで座っていたラビーヤ・カーン(Rabeeya Khan)さんを脅迫。ドアを殴り、カーンさんが座っていた椅子の背をたたいたという。

 カーンさんが自分が何かしたのかと尋ねると、ローズ被告は「何もしていない」と答えてカーンさんの脚を蹴ったとされている。そしてカーンさんが逃げようとすると、ローズ被告はドアを蹴り、オフィスに入り込んで逃げ道をふさいだという。

 周囲の人々が仲裁に入ると、カーンさんは受付カウンターに向かって走ったが、ローズ被告はその後を追ってイスラム教徒の祈りをまねし、さらにイスラム教やイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に対する暴言を吐いた。

 そしてローズ被告はカーンさんに対し「今やここ(米国)にはトランプがいる。彼がお前たち全員を追い出すだろう。この手の人種のことはドイツかベルギー、フランスにでも聞いてみろ。何が起きるか分かるだろう」と話したとされる。

 ローズ被告は逮捕時、警察に「俺は治安を乱す行為で刑務所行きなんだろ。やつらは背中を向けて頭に何か覆っていたから男か女かも分からなかった」と語ったという。

 検察によると、ローズ被告は複数のヘイトクライム(憎悪犯罪)、暴行、悪質な嫌がらせなどの罪で起訴され、26日に出廷。次回の公判は2月8日に開かれる。有罪になれば、ローズ被告には最大で禁錮4年が科される。(c)AFP