【2月25日 AFP】伝説のボクサー、故モハメド・アリ(Muhammad Ali)氏の息子のモハメド・アリ・ジュニア(Muhammad Ali Jr.)氏(44)が今週、ジャマイカから米国へ帰国した際、アラビア語的な名前が原因で、フロリダ(Florida)の空港で2時間にわたって聴取のために拘束された。米メディアが24日夜、伝えた。

 モハメド・アリ・ジュニア氏は米フィラデルフィア(Philadelphia)生まれで、米国のパスポート保持している。ジュニア氏の友人で弁護士のクリス・マンシーニ(Chris Mancini)氏が同州ルイビル(Louisville)の地元紙クーリエ・ジャーナル(Louisville Courier-Journal)に話したところによると、ジュニア氏は自分の母親でモハメド・アリ氏の2番目の妻だったカリラ・アリ(Khalilah Camacho-Ali)さんと移動している最中だった。

 マンシーニ弁護士によると、アリ親子は7日にフロリダのフォートローダーデール・ハリウッド国際空港(Fort Lauderdale-Hollywood International Airport)で、名前がアラビア語的だという理由で拘束され聴取を受けた。

 カリラさんが亡くなった夫と自分が写った写真を税関職員に見せたところ、夫人は解放されたという。しかし、ジュニア氏の方はそうした写真を携行しておらず、マンシーニ弁護士によると、ジュニア氏は2時間近くにわたって拘束され「あなたの名前はどこで付けたのか?」「あなたはイスラム教徒か?」といった質問を繰り返し受けたという。そしてジュニア氏が自分の父親と同じくイスラム教徒だと答えると、職員はさらに徹底的に質問し始めたという。

 マンシーニ弁護士は同紙に対し「アリ一家にとって、この事態がイスラム教徒の米国への入国を禁止しようとするトランプ大統領の方針と直接関係していることは明白だ」と語った。また同弁護士とアリ家は、同様の聴取のためにどれだけ多くの人々が足止めされているのか突き止めたいと考えているとし、連邦裁判所への提訴も検討していると述べた。

 空港と税関当局はこの件について、同紙の質問に応じなかった。(c)AFP