【2月16日 AFP】米移民税関捜査局(ICE)が先週、幼少期に不法移民の親に連れられて入国し、バラク・オバマ(Barack Obama)前政権の制度で強制送還を免除されたメキシコ出身の男性(23)を逮捕していたことが分かった。ICEや男性の弁護士が16日までに明らかにした。同制度の対象者は推定75万人に上り、今後の処遇をめぐって懸念が持ち上がっている。

 逮捕されたダニエル・ラミレス・メディナ(Daniel Ramirez Medina)さんは、不法移民の子どもとして米国で育った若者に対して強制送還を免除する「DACA」と呼ばれる制度の対象者。DACAはオバマ前大統領が2012年に大統領令で導入した。

 ラミレスさんの弁護士らの話では、DACAの対象者が強制送還を目的に逮捕されたのは初めて。

 ラミレスさんは10日、西部ワシントン(Washington)州シアトル(Seattle)近郊の自宅で、父親を逮捕するため訪れたICEの職員に父親と共に拘束された。父親は滞在許可を取得しておらず、過去に1度、強制送還された経験があるという。

 国土安全保障省傘下のICEは先週、不法移民の一斉摘発を行い、全米で少なくとも680人を逮捕した。ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は中南米系を中心に不法移民の取り締まりを公約に掲げており、それを実行した形だ。(c)AFP