【2月24日 AFP】ネパール西部の刑務所で、それぞれの夫と妻を殺害し服役している受刑者の男女が獄中結婚した。ただし男性受刑者が釈放される14年後までは、実際に結婚生活を送ることはできない。

 ネパール西部にあるカリコット(Kalikot)郡の刑務所で結婚したのは、最初の妻を殺害した罪により禁固20年の刑で服役中のデリ・コイララ(Dilli Koirala)受刑者(33)と、同じく最初の夫を殺害して刑期満了まで4年を残すミムコシャ・ビスタ(Mimkosha Bista)受刑者(30)。

 殺人犯の2人は、結婚式以前には互いに会ったことはなかったという。結婚を取りはからったのはコイララ受刑者の母親だが、この母親も息子の妻殺しに加担し服役している。

 現地紙によると、ビスタ受刑者は挙式した後、「彼は自分の妻を殺し、私は自分の夫を殺した。彼のお母さんが私を気に入ってくれたことが、彼と近づくきっかけの一つだった」と述べた。刑務所関係者によると、式には地元のヒンズー教の僧侶の他、刑務所職員、それぞれと近しい受刑者が出席した。所内では男性棟と女性棟が分かれているため、2人は結婚後も一緒に過ごすことはできないが、1か月に2回、対面して会話をする機会を与えることにしたという。

 異例の結婚式を見届けた弁護士がAFPに語ったところによると、2人が結婚を決めた理由はそれぞれ、自分たちと結婚してくれる相手は将来見つからないと思ったからだという。またコイララ受刑者は「私たちは同じ類の罪を犯しているから、互いを見下したりといったことにはならないだろう」と語った。

 この刑務所は規模が小さく、男性50人、女性3人が収監されている。(c)AFP