リオのカーニバル、過激な衣装は時代遅れ? 倫理観に変化
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■サンバのリズムで女性尊重の歌詞
今年のグロベレーザが服を着ていることについて、グロボ側は単にキャラクターを「豊かに」したいという意図で、「視聴者の反応は良いので、方向性は正しいと感じている」との考えを明らかにした。
人種間の平等を推進する非営利団体(NPO)「ID_BR」の創設者ルアナ・ジェノ(Luana Genot)氏も、グロベレーザの「変身」を歓迎している。
音楽もまた闘いの場となっている。セクハラに反対するフェミニストらは、リオのカーニバルの新しいテーマソングを考案した。ノリのいいサンバのリズムに乗って歌われるのは、「君が何を着ていても、同意がなければ触れないよ」という女性を尊重するメッセージ。
■フェミニストがカーニバルをつまらなくした?
リオのカーニバルの伝統的なマーチングソングのいくつかには、性的あるいは人種的な差別と思われる歌詞があり、これについても激論となっている。例えば、異人種間に生まれた女性を指す「ムラータ(mulata)」という呼び方は、差別的な言葉として問題視されている。
「ブロコ(bloco)」と呼ばれるストリートのカーニバル集団の中には、半世紀以上前に書かれたこうした歌を演目から外すグループも出てきている。フェミニストによるブロコを立ち上げたデボラ・ソーメ(Debora Thome)さんは、社会に変化が生じてきているという。
一方でカーニバル曲のベテラン作曲家、ジョアン・ロベルト・ケリー(Joao Roberto Kelly)氏は、フェミニストたちがカーニバルをつまらなくしていると批判する。ケリー氏は地元紙エスタド・ジ・サンパウロ(O Estado de Sao Paulo)に「独裁政権時代以来、こんな検閲など見たことがない」と語っている。(c)AFP/Sebastian Smith