【2月15日 AFP】先日スーパーボウル(Super Bowl LI)を制した米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)のニューイングランド・ペイトリオッツ(New England Patriots)。恒例の優勝チームによるホワイトハウス(White House)表敬訪問について、チーム内に訪問を拒否する選手がすでに現れているが、チームの大黒柱であるQBトム・ブレイディ(Tom Brady)は、個人の選択を尊重すべきだと話し、訪問拒否を問題視しない考えを示している。

 ペイトリオッツではすでに、ドナルド・トランプ(Donald Trump)新大統領への抗議の意味を込めて、招待があったとしても訪問を断ることを6人の選手が表明している。トランプ大統領が友人と称するブレイディは、14日に国内のラジオ番組に出演し、チームメートがホワイトハウスへの表敬訪問を拒否したとしても、何も問題はないと話した。

「誰にだってその人なりの選択がある。そういう年はあるし、僕も2年前はそうだった。行きたかったけれど予定が合わなかったんだ。たしか話があってから実際に行くまで10日くらいしか余裕がなく、そのときにはもう何か月も前から予定を入れてしまっていた。だから行けなかった」

 ブレイディはバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領時代の2015年、表敬訪問に参加していない。一方でジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)元大統領時代の2001年、2003年、2004年には参加しており、また在籍したミシガン大学(Michigan University)がカレッジ王者に輝いた1997年には、当時のビル・クリントン(Bill Clinton)大統領が開催した祝賀行事に参加している。

「最高の体験だったよ。政治は関係なかったし、少なくとも僕にとっては、政治的な要素は何もなかった。チャンピオンになって、チームやチームメートと一緒にクールな体験をする。それだけのことさ」

 ペイトリオッツのオーナーで、こちらもトランプ大統領の友人だというロバート・クラフト(Robert Kraft)氏も、参加しない選択を尊重すると話している。

「われわれはこの16年で5回スーパーボウルを制し、そのたびにホワイトハウスを表敬訪問する栄誉を授かってきたが、毎回10人以上の選手が参加していない。それが今回に限って、これだけメディアの注目を集めるというのはおもしろい話だ」

「大学時代に全米王者になってその栄誉に恵まれた者もいるし、家族との約束がある者もいる。ただ、ここは米国だ。誰にでも、自分にとって一番良いと思うことをする権利がある。行ける特権が与えられたというだけの話だよ」

 現時点で出席を拒否しているのは、マーテラス・ベネット(Martellus Bennett)、ルギャレット・ブラント(LeGarrette Blount)、ドンタ・ハイタワー(Dont'a Hightower)、デビン・マコーティー(Devin McCourty)、クリス・ロング(Chris Long)、アラン・ブランチ(Alan Branch)の6人となっている。(c)AFP