【2月11日 AFP】イングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)が、1989年に発生した「ヒルズボロの悲劇(Hillsborough Disaster)」の報道をめぐり、英大衆紙サン(The Sun)の記者による本拠地および練習場への入場を禁止した。事情に詳しい関係者が10日、AFPに伝えた。

 サポーター96人が死亡した事故の4日後にサン紙がチームの信用を失墜させるような記事を1面で報じて以来、リバプールのファンは同紙の購買をボイコットしてきた。今回の決定は、チームのオーナー会社であるフェンウェイ・スポーツ・グループ(Fenway Sports GroupFSG)と遺族の間で話し合いがもたれた結果とみられている。

 ツイッター(Twitter)上にある遺族のサポートグループのページは、ヒルズボロの悲劇で息子を亡くし、今回の決定には「喜んでいる」というマーガレット・アスピノール(Margaret Aspinall)さんの「あの人間のくずどもに、これ以上の注目を集めてほしくないから、もうコメントはない」という言葉を伝えている。

 1989年にシェフィールド(Sheffield)のヒルズボロ・スタジアム(Hillsborough stadium)で開催されたFAカップ(FA Cup)準決勝のリバプール対ノッティンガム・フォレスト(Nottingham Forest)戦で起きた悲劇について、サン紙は当時『真実』と題して、レッズ(Reds、リバプールの愛称)のサポーターが負傷したファンを救助しようとする警官に暴行を加えたり、遺体から物を奪ったりしたと報じた。

 しかし2012年9月に公表された報告書では、サン紙による主張は誤りだったのに加え、当局が隠ぺい行為に及んでいたことが判明し、同紙が謝罪を行っていた。(c)AFP