【2月8日 AFP】ポーランドの民主化運動を率いたレフ・ワレサ(Lech Walesa)元大統領(73)は7日、1970年代の共産主義政権の秘密警察に協力していたとの疑惑を全面否定した。

 ナチス・ドイツ(Nazi)支配下と共産主義時代の犯罪を訴追する「国民記録機関(IPN)」は先週、ワレサ氏が秘密警察との間で交わした協力の契約書と報酬の領収書に署名したことは、筆跡鑑定の結果「疑いがない」と明らかにしていた。

 これに対して、ノーベル平和賞(Nobel Peace Prize)の受賞者であるワレサ氏は7日、ポーランド北部のグダニスク(Gdansk)で記者団に対し「体制側の人間に何かを誓ったことはないと誓う」と述べ、「筆跡鑑定の専門家が100人いれば、それぞれが異なる意見をもっていることが分かる」と述べた。

 ワレサ氏は、自主管理労働組合「連帯(Solidarity)」を率いて1989年に無血の民主化を実現したが、ここ数年はこの疑惑に付きまとわれている。(c)AFP