■mRNAワクチンの利点

 人体は通常、外来性のRNAを排除するが、ワイスマン教授の研究チームが開発したワクチンは、免疫系の探知網をくぐり抜けて、人体細胞に直接入るように設計されている。

 細胞に入ったワクチンのRNAは、細胞のタンパク質生成機構に組み込まれることで、ウイルスを基に作られた生ワクチンと同様の作用を発揮し、免疫反応を増進させる。

 RNAワクチンには、ライバルに勝る潜在的な利点がいくつかあると、研究チームは指摘している。

 脂肪から作られるナノ粒子によって血中に運ばれるRNAワクチンは、皮膚直下に注射できるため、容易に投与できる。

 また、他のワクチンと異なり、投与が1回で済むのは、実用面での大きな利点となる。

 ワイスマン教授は、声明で「ワクチンが予防接種を1回行うだけで効果を発揮するならば、投与に必要なインフラをはるかに簡素化できる」と述べている。

 さらに、おそらく最も重要な利点は、RNAワクチンが「非複製的」であることだ。これは、宿主の遺伝子の設計図に組み込まれる可能性がないことを意味する。生ワクチンではこの問題が、ワクチン接種に伴う安全上の懸念となっている。

 今後はさらに試験を重ねて、妊娠している動物や生まれる前の胎児への、RNAワクチンの影響を評価する予定だ。

 人への臨床試験は1年以内に開始できるとワイスマン教授は話した。(c)AFP