【1月28日 AFP】映画「007」シリーズで主人公ジェームズ・ボンド(James Bond)の独創的な道具や装置を発明している「Q」は実在し現実世界では女性であると、英国の対外情報部「MI6」長官が明らかにした。

 今週、ロンドン(London)で開催されたIT業界で活躍する女性たちを表彰する式典に出席したMI6のアレックス・ヤンガー(Alex Younger)長官は、「現実世界のQが皆さんに会えるのを楽しみにしている。現実のQは女性であることを報告できるのは喜ばしい」と述べた。

 007シリーズでは歴代のQ役は男性が演じている。ただし、ジェームズ・ボンドとQの上司「M」役は1995年から2015年まで英女優のジュディ・デンチ(Judi Dench)さんが演じた。

 ヤンガー長官は、ボンドの評判は現実の国際的な情報活動に長所と短所をもたらすとして、エレガントな諜報(ちょうほう)員007がMI6に負わせたイメージとしてつくり上げた幻想を一掃したいと述べた。

 またヤンガー長官は「ある意味ではありがたいことだ。われわれと敵対する存在が、あらゆるところにMI6の職員が潜み、MI6の規模が実際より1万倍も大きいと思ってくれるのだから」と話した。

 さらに同長官は「しかし問題もある。MI6に参加する人物について、おしゃれだったり、オックスフォード大学(University of Oxford)に行ったりというような、ある種特定の人物であるという固定観念につながるからだ」と語り、「私たちは、英国のあらゆる社会に範囲を広げて、経歴にかかわらず最良の人材を確保できるようにしたい」と述べた。(c)AFP