【1月22日 AFP】米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領は21日、バージニア(Virginia)州の米中央情報局(CIA)本部を訪問し、職員らを前に「私は1000パーセント、あなた方と共にある」と述べるなど関係修復に努めた。

 CIAは先に、ロシアが米大統領選に介入してトランプ氏を後押ししたと発表したが、トランプ氏はCIAの見解を否定していた。

 だが大統領としての本格的な公務初日となった21日、トランプ氏はCIAとの間にくすぶっていた緊張の緩和に向けて迅速に動いた。トランプ氏はCIA職員らを前に演説し、「私はあなた方が大好きだし、敬意を抱いている」と語りかけた。

 イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」への対処について「われわれの波長は皆、ぴったり合っているだろう?」「われわれは真の実力をまだ出し切っていない。ずっと抑制されてきたからだ。われわれはISIS(イスラム国の別称)を排除せねばならない」などと語った。

 政権交代に伴い20日に退官したジョン・ブレナン(John Brennan)前CIA長官は在任中の15日、米FOXテレビの報道番組「フォックス・ニュース・サンデー(Fox News Sunday)」の中で、トランプ氏は発言に「規律」が必要だと述べ、「彼(トランプ氏)がロシアの能力や意図、行動を完全に理解しているとは考えられない」などとトランプ氏を厳しく批判していた。

 一方のトランプ氏も米国の情報機関をナチス・ドイツ(Nazis)に例え、ロシアがトランプ氏のイメージを損ねるわいせつな個人情報を収集していたなどという根拠のない情報を流出させたのはブレナン氏だった可能性があるなどと非難していた。

 トランプ氏はCIA長官にマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)下院議員(53)を指名したが、この人事はまだ上院の承認を得ていない。ポンペオ氏は外交政策ではタカ派と目されており、バラク・オバマ(Barack Obama)前政権を厳しく批判してきた。(c)AFP