【1月19日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は18日、内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」に米軍の機密情報を漏えいした罪で禁錮35年の刑期をつとめているトランスジェンダー(性別越境者)の米兵、チェルシー・マニング(Chelsea Manning)受刑者(28)に対して恩赦で減刑を決めたことについて、同受刑者には「正義が果たされた」として自らの決定の正当性を訴えた。

 オバマ大統領は17日、受刑者64人に特赦を与えたほか、209人について刑を軽減した。マニング受刑者は後者に含まれ、5月に釈放される見通しとなっている。

 オバマ大統領は18日、退任を2日後に控えて最後に開いた記者会見で「私の見解では、彼女が裁判にかけられたこと、法の適正手続きが行われたこと、自らの罪の責任を取ったこと、彼女が受けた判決が他の機密情報漏えい者に比べ非常に不釣り合いであること、そして彼女がかなり長い刑期をつとめてきたことを考慮すれば、刑の免除はともかく軽減は妥当だった」と語った。

 さらに「はっきりさせておこう。チェルシー・マニングは厳しい刑に服してきた。正義が果たされたことに、とても満足している」と続けた。

 マニング受刑者は入所者全員が男性の刑務所に入っており、独房に監禁されたこともある。また、これまでに2度自殺を図っている。

 マニング受刑者については、人権活動家らが判決は重過ぎると批判してきたほか、心理面で弱さを抱えていると懸念を示してきた。(c)AFP