【1月16日 AFP】フランスのパリ(Paris)で15日、中東和平をめぐる国際会議が開催され、イスラエルとパレスチナの双方に対し、エルサレム(Jerusalem)や境界線に関する「一方的な行動」は70年に及ぶ紛争の交渉による解決を脅かしかねないと警告する宣言を採択した。

 会議はイスラエルとパレスチナの2国家共存に対する国際社会の支持を再確認する目的でフランスが主催し、約70か国が参加した。2国家共存をめぐっては、20日に発足するドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米政権によって危機にさらされかねないとの懸念がパレスチナ側に広がっている。

 宣言はイスラエルとパレスチナの双方に「最終地位に関する問題、とりわけエルサレム、境界線、治安、難民に関する問題をめぐる交渉の結果を予断する」ような行動を避けるよう呼び掛けた。

 フランスのジャンマルク・エロー(Jean-Marc Ayrault)外相は記者会見で、会議では最終地位に関する交渉に関して、イスラエルによるヨルダン川西岸(West Bank)とエルサレム東部占領以前の1967年の境界線を基準にすることも確認されたと説明した。

 間もなく退任するジョン・ケリー(John Kerry)米国務長官は、イスラエルが不当に扱われるのを阻止するために交渉したと述べた。

 会議にはイスラエル側もパレスチナ側も出席しなかったが、パレスチナ側は会議の開催を支持した。一方、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は「無益だ」と批判した。

 トランプ氏は米国の在イスラエル大使館をテルアビブ(Tel Aviv)からエルサレムに移転する方針を示しており、中東で強い懸念を招いている。(c)AFP/Cécile FEUILLATRE / Clare BYRNE