【1月14日 AFP】米政府が約1年をかけてシカゴ(Chicago)市警を調査したところ、主に黒人やヒスパニック系住民が暮らす地区で、警察による虐待や過剰な権力行使が常態化していることが判明した。ロレッタ・リンチ(Loretta Lynch)米司法長官が13日、明らかにした。

 リンチ氏はシカゴで記者会見を行い「司法省はシカゴ警察で合衆国憲法修正第4条に違反する過剰な権力行使が常態化していると信ずるに足る相当の理由があると結論付けた」と述べた。

 164ページに及ぶ報告書に合わせて出された司法省声明によると、不合理な権力行使の被害が最も深刻だったのは黒人とラテン系住民が暮らす地区だった。

 バラク・オバマ(Barack Obama)政権下での司法省最後の仕事の一つとなった同報告書によると、シカゴでは大勢の黒人とラテン系の住民が、警察に虐待の標的として狙い撃ちにされていると長年にわたって訴えてきたことが大筋で確認された。

 この調査は、道路の中央を歩いていた黒人少年ラクアン・マクドナルド(Laquan McDonald)さんが白人警官に射殺された事件が大々的に報じられたことを受け、2015年12月に開始された。

 リンチ氏はシカゴの警察官1万2000人の「大多数」が立派に責務を果たしていると断った上で「まだやらなければならないこと…連邦政府の協力や第三者による監視が必要な仕事が大量にある」と述べた。(c)AFP/Brian KNOWLTON