【7月17日 AFP】米国人の大半は、同国での人種間の関係が「総じて悪い」と考えており、圧倒的多数の米国人が、この問題の改善に次期大統領は「特に重点的に」取り組むべきと考えていることが、16日に公表された世論調査の結果、明らかになった。

　米紙ワシントン・ポスト（Washington Post）と米テレビABCニュース（ABC News）が合同で行ったこの調査は、警察による黒人男性2人の射殺事件と黒人狙撃犯による白人警察官射殺事件の直後に実施された。

　調査の対象となった成人1003人の83%は、11月の選挙で選ばれる次期大統領は、人種間の関係改善に「特に重点的に」取り組むべきと回答し、回答者の約半数が人種問題は「極めて重要」と回答した。

　人種問題に対する国民の懸念は、大統領選で民主党からの指名を確実にしたヒラリー・クリントン（Hillary Clinton）前国務長官に有利に働く可能性がある。

　人種間の問題への対応について、約58%がヒラリー氏を信頼していると回答したのに対し、共和党の指名を確実にしたドナルド・トランプ（Donald Trump）氏を信頼していると回答したのは26%にとどまった。トランプ氏は選挙遊説で人種間の不和を招く言動を取るとみなされている。

　また、63%は人種間の関係が総じて悪いと回答し、55%はさらに悪化しつつあると回答した。人種間の関係は良好だと回答したのはわずか3分の1にとどまり、改善に向かっていると回答したのは10人に1人だけだったという。(c)AFP