【1月4日 AFP】非鳥類型恐竜の卵のふ化には3~6か月もの期間がかかり、この長いふ化期間が、6500万年前に起きた恐竜の大量絶滅の謎解明の一助となる可能性があるとする新たな研究論文が2日、発表された。

 米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された論文によると、非鳥類型恐竜のふ化は爬虫類のそれと似ており、ふ化期間が長いことは、繁殖が速い他の動物との競争で恐竜に不利な影響を及ぼした可能性があるという。

 これまで多くの研究者らは恐竜のふ化期間を非鳥類型、鳥類型ともに現生鳥類と類似すると考えていた。鳥類のふ化期間は11~85日の間だ。

 今回の研究では高解像度の顕微鏡を用い、希少な保存状態の良い化石化した非鳥類型恐竜の胚2つの歯の成長線を観察し、2つの胚が死んだ時期を調べた。その結果、それぞれ3か月と6か月だったことが分かった。

 今回の発見は、鳥類型恐竜の生きた子孫である鳥類が他の型の恐竜から分岐した後、ふ化の速度をより速く進化させた可能性を示唆している。これにより鳥類は、捕食者や洪水または干ばつのような自然災害、また恐竜を死滅させたような大変動を生き延びるうえで、優位に立った。(c)AFP