【12月29日 AFP】イタリア南部の町で、マフィアの幹部だった疑いのある男性の追悼ミサを地元司祭が計画し、警察やカトリック教会の主任司祭が禁止を命じる騒ぎとなっている。司祭はローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王に直訴する意向だ。

「罪人は神の慈悲を受けるに値する」。ミサを執り行おうとしたミケーレ・デッレ・フォリエ(Michele delle Foglie)司祭は28日、新聞にこう語っている。

 南部の港湾都市バリ(Bari)郊外にある町グルーモ・アップラ(Grumo Appula)で勤務するデッレ・フォリエ司祭は、移住先のカナダで今年射殺された地元出身のロッコ・ソレシト(Rocco Sollecito)氏(67)の家族から依頼を受け、イタリアの慣習通り同氏の追悼ミサを計画した。

 だがソレシト氏は、カナダ東部ケベック(Quebec)州を拠点とするマフィアの幹部の一人だった疑惑がある。

 そのためバリの警察は公衆安全上の懸念を理由にミサの中止を命令。地元の主任司祭も「ひどい醜聞」だとしてミサの開催を禁止した。

 デッレ・フォリエ司祭はこうした措置に反発。フランシスコ法王に直接訴える考えを示している。

 もっとも法王は2014年にこの地域を訪問した際、マフィアのメンバーを「悪魔を崇拝し、公益をさげすむ者」と糾弾し、破門している。(c)AFP