【12月22日 AFP】ローマ・カトリック教会のフランシスコ(Francis)法王(80)がバチカン市国を抜け出して「重大任務」を無事に遂行した。その任務とは自身の靴を自ら買うこと。翌日のソーシャルメディアはこの法王の「任務」を称賛する声にあふれた。

 フランシスコ法王は20日、バチカン近郊の薬局を訪れ、持病の慢性坐骨神経痛による痛みを緩和する矯正用の靴を購入した。この時の様子を、その場に居合わせた数人の客がスマートフォン(多機能携帯電話)で撮影し、画像や映像をフェイスブック(Facebook)などのソーシャルメディアに投稿。あるユーザーは法王の写真とともに「法王と一緒の火曜日。大好きな法王様、あなたを心から誇りに思います!」とのメッセージを添えた。

 ネット上のコメントの大半は、世界中のカトリック信者12億人の頂点に立つ人物が自ら買い物をする姿に驚きを示すものだ。客のカメラに向かってポーズを取り、店員が持っていた十字架を祝福する法王を一様に称賛している。伊日刊紙レプブリカ(La Repubblica)の電子版にも「なんて偉大な人なんだ!」「今すぐにでもフランシスコ法王をローマ(Rome)市長にすべきだ」などのコメントが掲載された。

 フランシスコ法王は2015年9月にも、ローマ市内中心部の観光地スペイン階段(Spanish Steps)近くにある眼鏡店を訪れてフレームの試着などを行う姿を目撃され、市民らを驚かせている。2013年の法王就任直後にも、自分でかばんを持ち、ホテル代も支払ったことが明らかになり、人々を感嘆させた。

 そんな法王は就任直後のインタビューで、誰にも気づかれずにローマに出かけて行ってピザを食べられた頃が懐かしいと語っている。(c)AFP/Angus MACKINNON