【12月23日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長は22日、ビデオ判定技術が試験的に導入された今年のクラブW杯(2016 FIFA Club World Cup)は、2018年W杯ロシア大会(2018 World Cup)での新技術採用に向けた「ポジティブな」ステップになったと評価した。

 インファンティーノ会長はスペインのスポーツ紙マルカ(Marca)に対し、「われわれは多くのことを学んだ。大会での試験に勝るものはないのだから」とコメントしている。

 クラブW杯では、準決勝で鹿島アントラーズ(Kashima Antlers)にFIFA主催大会では初となるビデオ判定によるPKが与えられ、これが敗退につながったアトレティコ・ナシオナル(Atletico Nacional)から批判が噴出したが、インファンティーノ会長は映像副審(video assistant referees、VAR)に信頼を寄せている。

 準決勝のもう1試合では、クリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)のゴールをめぐって混乱が生じたため、レアル・マドリード(Real Madrid)からも否定的な意見が出た。

 横浜で行われたクラブW杯の決勝の前に、今大会が次回のW杯での映像副審の導入に向けたポジティブなテストになることを望んでいると話していたインファンティーノ会長は、「W杯のような舞台で審判の重大な過失によって勝敗が決するのを防ぐ一助となる」と話し、改めて新技術を擁護する姿勢を示した。

 鹿島に与えられたPKは映像副審の指示を受けて主審が判断したものであり、ロナウドのゴールで生じた混乱はコミュニケーションの問題に起因するとしたインファンティーノ会長は、「スタジアムのファンや視聴者への判断結果の伝え方には改善の余地がある」と話している。 (c)AFP