【12月8日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は7日、8日から日本で開幕する16クラブW杯(2016 FIFA Club World Cup)で、ビデオ判定技術をFIFA主催大会で初めて導入すると発表した。W杯を含めた主要大会でのビデオ判定採用に向けた動きを進める中、レアル・マドリード(Real Madrid)も15日から出場する今大会で、FIFAは新システムを試験運用する。

 ビデオ判定技術では、映像副審(video assistant referees、VAR)が、試合のあらゆる画像を確認できる映像室に控え、レッドカードの提示やPKの宣告といった試合の結果を左右し得る重要な判定について、必要があれば現場の審判団に修正を依頼する。

 FIFAはVARを「歴史の重要な一要素」と位置づけており、技術開発部門の責任者を務めるマルコ・ファン・バステン(Marco van Basten)氏は、「技術のテストという点で、これは大きな前進だ」と話した。

「われわれは未踏の領域に入りつつある。最終的には、この方式が有効かそうでないかを判断するうえで、今回のテストがかけがえのない情報をもたらしてくれるはずだ」

 最初の判定と最終的な決断は、これまで通り主審が行い、ピッチ脇に用意したモニターを使い、自分で当該場面の映像を見直すこともできる。

 また、VARは試合全体の場面を確認することが可能となり、映像を見る限り明らかに間違っていると思われる判定があった場合は、主審にそれを知らせることができる。

 FIFAでレフェリング部門を統括するマッシモ・ブサッカ(Massimo Busacca)氏は、「VARのシステムは、ゴールライン・テクノロジーと同様、審判が仕事をやりやすくするためのもの。試合の基本的な流れは止めないようにしたい」と話している。

 クラブW杯の後も、テストはブラジル、フランス、ドイツ、イタリア、オランダなど、12か国の大会で引き続き実施される予定となっている。(c)AFP