【12月21日 AFP】ヨルダン中部カラク(Karak)の観光名所で18日に発生し、警察官やカナダ人観光客ら計10人が死亡した襲撃事件について、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が20日、犯行声明を出した。

 ISは声明で、事件を実行したのはマシンガンや手りゅう弾で武装した「ISの兵士」4人だったと主張。ヨルダンの「背教的な」治安部隊や、シリアとイラクのIS掃討を目指す米国主導の有志連合の市民らを標的にしたとしている。

 カラクは、十字軍時代に建造された同域最大級の城塞の遺跡で知られている。ヨルダン当局によると、4人組の武装集団はパトロール中の警察官らと、カラク市内の警察署に対して発砲。城塞内に数時間にわたり立てこもった末、警察によって全員が射殺された。事件ではさらにカナダ人1人を含む34人が負傷している。

 また治安筋によると、20日には同じカラクで武装集団と警察との銃撃戦が新たに発生し、警察官4人が死亡した。同筋は、治安部隊が18日の事件の容疑者らを追跡するための強制捜査を実施した際に発砲を受けたと説明。捜査は現在も進行中だとしている。

 だが国営ペトラ(Petra)通信は別の治安筋の話として、20日の銃撃事件の容疑者らは18日の襲撃に関わった「テロ集団」とは無関係だと報じている。(c)AFP