【12月19日 AFP】内戦下のシリアで18日、反体制派が包囲している2つの村から住民を避難させるために使われていたバスが武装集団に襲撃されたことを受け、北部アレッポ(Aleppo)で再開される予定だった戦闘員の撤退と市民の退避措置が当面の間、延期された。

 アレッポ市内で最後に残った反体制派掌握地域には同日、同域内に閉じ込められている数千人の市民と戦闘員の移送を再開するため、バス数十台が入っていた。

 シリア内戦の激戦地となっている同市では、政権側の市内完全制圧を認める合意に基づき、反体制派掌握地域から住民を避難させる措置が15日に開始されたが、翌16日に中断。

 避難再開に向けた交渉では、北西部イドリブ(Idlib)県で反体制派が包囲するシーア派(Shiite)の2村、フア(Fuaa)とケフラヤ(Kafraya)から何人の住民を平行して避難させるかをめぐり意見が対立していた。

 だが、政府と反体制派の双方から避難再開で合意したとの発表があった一方で、両村から住民を避難させるために送られた複数のバスが武装集団に襲われ放火される事件が発生。

 在英のNGO「シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)」によると、襲撃によりバスの運転手1人が死亡し、現場の安全が保障されるまで避難措置全体が延期された。(c)AFP/Karam al-Masri with Layal Abou Rahal in Beirut