【12月18日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長が、16クラブW杯(2016 FIFA Club World Cup)で試験導入されているビデオ判定技術について、問題点の修正は必要と前置きしつつ、2018年W杯ロシア大会(2018 World Cup)での正式採用に改めて意欲を見せた。

 今回のクラブW杯では、準決勝の鹿島アントラーズ(Kashima Antlers)対アトレティコ・ナシオナル(Atletico Nacional)戦で、FIFA主催大会では初となるビデオ判定によるPKが鹿島に与えられ、最終的に鹿島が勝利したが、敗れたアトレティコ・ナシオナル側は新技術への不満を口にした。

 準決勝のもう1試合、クラブ・アメリカ(Club America)対レアル・マドリード(Real Madrid)の一戦では、終了間際のクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)のゴールをめぐって混乱が生じた。

 技術的な問題は修正できると考えているインファンティーノ会長は、「サッカー界がこのシステムとともに歩んでいけるか。それを判断するのはまだ時期尚早だ」と述べると、鹿島にPKが与えられた場面を評価し、「主審はその場面を見ていなかったし、何もないという判定が修正されたのは技術の力だ」と語った。

「(PKの判定が出るまでに)かかった時間は長すぎたが、そこは修正していける。しかし、適切な判定が下されてPKが与えられたのは、良いことだ」

 ナシオナルのマテウス・ウリベ(Mateus Uribe)が「イライラする」と話したように、選手からは試合がぶつ切りになることへの不満も出ている。しかし、痛がっているふりをする選手のせいでもっと長く試合が止まる場面があることを考えれば、映像の確認に要する時間が長すぎるということはないとインファンティーノ会長は主張している。

「われわれも試合の流れが止まることは望んでいないが、W杯の決勝で、誤審で優勝の行方が左右される可能性を考えたら、30秒や1分くらい、どうということはないように思う」

「選手がピッチに倒れている間だって試合は止まっている。これは50年以上にわたって議論されてきたテーマで、なぜビデオ判定を導入しないのかとFIFAは批判され続けてきたんだ」

「今、この日本で新たな歴史が作られつつある。今はテスト段階で、微調整は必要だが、ビデオ判定は最小限の干渉で最大限のメリットをもたらすはずだよ」 (c)AFP/Alastair HIMMER