【12月2日 AFP】ハイチで2010年の大地震後にコレラが大流行し1万人近くが死亡した問題で、国連(UN)の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は1日、国連平和維持活動(PKO)部隊の対応についてハイチ国民に初めて謝罪した。

 潘事務総長は国連総会(UN General Assembly)で、「国連を代表し、ハイチ国民に謝罪するとはっきり申し上げたい」と、ハイチの公用語であるクレオール語とフランス語、さらに英語で3回繰り返した。

「ハイチでのコレラ発生と感染拡大に関して、国連の対応は不十分だった」と潘事務総長は述べ、「われわれの任務について深くおわびする」と語った。

 多くの独立した専門家は、大地震の後にハイチ入りしたネパールのPKO部隊によってコレラ菌が持ち込まれたと指摘している。コレラは汚染された水を飲むことで感染し、急性下痢症を引き起こす。

 南北アメリカ大陸の最貧国で衛生管理が不十分なハイチでは、2010年10月にコレラが発生して以降、80万人が感染し、9000人以上が死亡した。国連は8月、コレラ発生と犠牲者に対する「道義的責任」を初めて認め、物資の支援を約束したが、コレラ流行による損害の法的責任は負わないと繰り返し主張している。(c)AFP/André VIOLLAZ