【11月30日 AFP】米ニューヨーク(New York)で自分自身が誘拐されたと偽ったとして、イタリア自動車大手フィアット(Fiat)の財産相続人の一人であるラポ・エルカン(Lapo Elkann)容疑者(39)が逮捕された。警察当局が29日発表した。地元報道によれば、エルカン容疑者は先週末に放蕩(ほうとう)ざんまいをした揚げ句、持ち金が足りなくなったため、狂言誘拐を企てて家族から身代金を巻き上げようとしたという。

 プレイボーイとして知られるイタリア人のエルカン容疑者は、フィアットの伝説的な創業者である故ジャンニ・アニェッリ(Gianni Agnelli)元名誉会長の孫。複数の米メディアによるとトランスジェンダー(性別越境者)の売春婦と2日間、セックスやアルコール、マリフアナ、コカインにふけっているうちに手持ちのお金を使い果たしてしまった。

 そこで思いついたのが自作自演の誘拐劇。家族に自身が誘拐されたとうそをついて、身代金1万ドル(約112万円)を支払ってもらおうと画策した。そのお金で薬物をさらに購入するつもりだったという。

 家族が警察に通報したことで狂言がばれ、警察に逮捕された。

 警察によれば、エルカン容疑者はすでに釈放されているが、虚偽の通報を行った容疑で来年1月にニューヨークの裁判所に出廷するよう命じられた。エルカン容疑者が発見された当時売春婦と一緒だったのか、事件に薬物が関係しているかは不明。(c)AFP