【11月30日 AFP】赤十字国際委員会(ICRC)は29日、シリア政府軍が攻撃を加えている反体制派の支配地区アレッポ(Aleppo)東部から、この3日間で最大2万人の市民が退避したとの見方を示した。

 スイスのジュネーブ(Geneva)に本部を置くICRCの広報担当者、クリスタ・アームストロング(Krista Armstrong)氏はAFPに対し、2万人という数字はあくまで推定値で状況は流動的であると述べ、市民は激しい戦闘から必死で逃れようと「四方八方に」避難していると主張した。

 戦闘におびえた市民は着の身着のままで、反体制派がいまだ支配する地域や、政府軍が掌握しているアレッポ西側、またはクルド人勢力が支配権を握る地区へと逃れている。

 これに先立ち、国連(UN)のスティーブン・オブライアン(Stephen O'Brien)緊急援助調整官(人道問題担当国連事務次長)はアレッポ東部からの避難民を1万6000人と見積もっていた。

 政府軍はアレッポの反体制派支配地域を奪還するために攻勢を強め、ここ数日間で反体制派が支配権を握る東部の3分の1を奪っている。しかし、政府軍の攻撃については国際社会から懸念する声が上がっており、フランスは国連安全保障理事会(UN Security Council)の緊急会合を開催するよう呼び掛けていた。(c)AFP