【11月24日 AFP】英イングランド（England）北部バーストール（Birstall）で6月、女性下院議員が殺害された事件で、ロンドン（London）の中央刑事裁判所は23日、殺人罪などに問われたトーマス・メア（Thomas Mair）被告（53）に対し、仮釈放なしの終身刑を言い渡した。

　事件は、英国の欧州連合（EU）離脱の是非を問う国民投票を1週間後に控えた6月16日に発生。2児の母親で、EU残留を訴えていたジョー・コックス（Jo Cox）議員が、選挙区民らとの会合のため図書館に到着した際に殺害された。

　過激極右思想に傾倒していたメア被告は、路上で「ブリテン・ファースト（英国を最優先に）」と叫びながらコックス議員に向け銃を3回発砲した上、刃物で15回にわたり刺したとされる。

　捜査当局はバーストールにあるメア被告の自宅を捜索した際、ドイツの軍事史やホロコースト、ナチス・ドイツ（Nazi）の人種理論などに関する多数の書籍や、ドイツ第3帝国の鷲の像を発見していた。

　メア被告は公判で証言を拒否。裁判所は判決で、犯行が政治的動機に基づいたものであったことは疑いがなく、被告は「ナチスやそれに似た反民主主義的な白人至上主義の信条を賞賛していた」と断じた。(c)AFP/Edouard GUIHAIRE James PHEBY